色彩育児、大人も育自?:色で日常と人生が変わる!

色彩を使って子どもの育児、大人も育自:色が日常と人生を変える

色自体にパワーがあることは昔から知られていました。

古代ギリシャ時代、ヒポクラテスやピタゴラスは、病気の治療に色を使っていたと聞きます。

ローマ時代、医学者ガレノスは、人間の体液は血液を基本に「血液(赤)、粘液(青)、黄胆汁、黒胆汁」の4つのバランスに注目し(四体液説)、医学を発展させ、

中世ヨーロッパでも、色彩療法などが発達、教会のステンドグラスの色(赤、赤紫、緑、黄の透過色)が病人を治すと考えられ応用されていた時代もあるようです。

古代インドのアーユルヴェーダ医学では、万物を作る「空・風・火・水・土」の五大元素の色を使って治療をしています。

実際、私たちも日常で、色を体験しています。「真っ赤」な色を見ると体の内から元気がでてくる、「青や緑」を見ると静かで心落ち着く、みなさんも経験あると思います。原色の赤は私たちの購買意欲を高め、青は信頼感を高めるためマーケティングではよく使われていますね。

これは時代や人種に関係なく人類に共通する色の作用。

心理学者たちは長年、色が私たちの「心と体」、そして「行動」にどう影響を与えるかを研究してきました。

赤色一色に塗られた部屋に入ると、アドレナリン値が上がり、血圧、体温、血糖値が上昇、体も心も興奮してくる、一方、青色の部屋では、血圧、体温、血糖値が下がり体も心も落ち着いてくる。(※1)

特定の色が睡眠、記憶、学業に影響することも報告されています。(※2)例えば、試験の前に「赤色をの数字」を見るように指示された生徒は、「緑や黒の数字」を見た生徒よりも20%も成績が落ちたとの結果がでたとのこと。 これは、「赤」という色は、「危険」や「失敗の危険性」、「逃げたい」欲求を掻き立てるため、という報告もありました。(※3)

このように、知らない間に色は私たちの心身をコントロールしているようです。ただ、色の影響は、文化や時代、また個人的な過去の体験も影響してきます。

どの色を選ぶかで子どもたち・私たちの「気持ち」が分かる

特定の色は特定の感情、行動を喚起させることが分かってきましたが、一方、その人が選んだ色から、感情、思考、行動を理解することもできます。

うつ状態や不安状態にあるとき、私たちは「グレー」「黒」を選びがち、幸せを感じているときは「黄色系」「パステル系」を選ぶようです。(BMCMedical Research)。これは、なんとなく体験的に私たちも知っています。

子どもたちはもっと分かりやすいです。

カリフォルニア大学の研究によると、子どもたちはポジティブ感情(うれしい、幸せ、たのしい)にいるとき、明るい色をネガティブ感情(怒り、悲しい、寂しいなど)にいる時、暗い色を選ぶことが分かりました。

子どもたちが黒色やグレーを使って絵を描いていたら少し気を付けてあげなくてはいけませんが、だからといって暗い色を使ったからと言って、ネガティブ思考にある、と決めるけることもできないのが難しいところ。

注目することは、その色は何回も使われていないか?絵は描いている環境はどうか?部屋が暗すぎないか、机といすの高さはあっているか、準備した色は?描く前・描いている間に何かストレスフルな出来事はなかったか?

また、単体で使ったときと、他の色が組み合わさった時では解釈が異なってくることがあります。細かい解釈が必要な時は専門家の意見を聞いてください。

色を読み取る:色の意味

あくまで一般的なアートセラピーで使う色の解釈をここで紹介します。

どの色にもポジティブ・ネガティブの両方の意味合いがあり、文化による影響、個人的な体験、描かれた年齢、時間帯、季節などにも影響されるため、あくまで「一般的な指標」として使ってください。

とはいえ、色から心の状態を見ることは、子どもたち(そして大人も)と接するうえで非常に役立つ「ものさし」になります。


・プラスの意味:情熱、温かさ、生命力、健康、成長欲求
・マイナスの意味:怒り、攻撃、破壊、憎しみ、愛情欲求、衝動性

黄:
・プラスの意味:自発性、たくましさ、冒険心、
・マイナスの意味:敵意、自己破壊的

オレンジ:
・プラスの意味:友好、共感、エネルギッシュ、喜び
・マイナスの意味:誇り、依存、抵抗、権力、無秩序

緑:
・プラスの意味:回復、癒し
・マイナスの意味:情緒安定を求める気持ち、危険(西洋)、おせっかい


・プラスの意味:平和、静けさ、知性、直観的
・マイナスの意味:喪失感、心の闇


・プラスの意味:精神性の高い
・マイナスの意味:パラノイア


・プラスの意味:純粋、光、無垢、浄化
・マイナスの意味:強い感情の抑圧、喪失、悲しみ


・プラスの意味:変化の始まり、豊かなエネルギーのもと
・マイナスの意味:死、無、無意識、うつ、喪失、邪悪

色の効果を生活に取り入れ、育児や育自に役立てる

このような色の効果を生活に取り入れると育児や育自がスムーズに進めることができます。

例えば、寝室はブルー系で心を落ち着かせる、
居間には会話がはずみ食欲が湧くようオレンジ系のものを置いておく、
大切な商談や運動会など、意欲や闘争心が必要な時は赤いものを身に着ける、
誠実に見せたいときはブルーを身に着ける、
コンピューターの横には目を落ち着かせるために観葉植物を置く、など。

視覚は無意識に直接入って、体と心に働きかけます。ちょっとしたことが毎日の生活をスムーズにしてくれるかもしれません。日常に取り入れてみてください。

最期に、色を学ぶとき、自然が一番の「先生」です。豊かな四季折々の豊かな自然、食べ物の色、水の色、空の色、太陽の色、山の色、毒の色、動物の色、、、、じっと自然を観察し、自分の心の動きを観察してみると、たくさんのヒントが「私」の中に見ることができます。難しい本を読まなくても、いろんな発見があります!

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※1.Meola, Kalyan. The Psychology of Color. University of Hawaii at Hilo.https://www.verywellmind.com/color-psychology-2795824chromeextension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://hilo.hawaii.edu/campuscenter/hohonu/volumes/documents/Vol03x09ThePsychologyofColor.pdf

※2.Choose the Right Nursery Color Using Color Psychology
https://www.thespruce.com/color-psychology-for-kids-2504750
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23983571/

※3.Elliot AJ, Maier MA, Moller AC, Friedman R, Meinhardt J. Color and psychological functioning: the effect of red on performance attainment. J Exp Psychol Gen. 2007;136(1):154-68. doi:10.1037/0096-3445.136.1.13.

※4.https://www.livescience.com/6084-colors-describe-happiness-depression.html

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Using Colors for Parenting, Self-Nurturing: How Colors Can Transform Daily Life and Existence

It has been known since ancient times that colors themselves hold power.

During ancient Greek times, Hippocrates and Pythagoras are said to have used colors in the treatment of illnesses.

In the Roman era, the physician Galen focused on the balance of the four humors (blood, phlegm, yellow bile, black bile) based on the primary element of blood and further developed medicine. During the Middle Ages in Europe, color therapy and other practices flourished. The colors of stained glass windows in churches (red, purplish-red, green, yellow transmissive colors) were believed to heal the sick and were applied accordingly.

In ancient Indian Ayurvedic medicine, colors associated with the five primary elements of “space, air, fire, water, and earth,” which constitute everything in the universe, are used for healing.

In our daily lives, we also experience the effects of colors. Seeing a vibrant “red” color brings vitality from within, while seeing “blue or green” colors brings tranquility and calmness. I believe many of you have had similar experiences. Primary red enhances our purchasing desire, while blue increases trust. That’s why the effects of colors are frequently utilized in marketing strategies.

These effects of colors are universal among humanity, transcending time and race.

For years, psychologists have studied how colors influence our “mind, body,” and “behavior.”

Entering a room painted entirely in red raises adrenaline levels and increases blood pressure, body temperature, and blood sugar levels. Both the body and mind become stimulated. On the other hand, in a blue room, blood pressure, body temperature, and blood sugar levels decrease, and both the body and mind become calm. (*1)

Certain colors have also been reported to affect sleep, memory, and academic performance. For example, students instructed to view “red numbers” before an exam performed 20% worse than students who viewed “green or black numbers.” This is because the color red stimulates a sense of “danger,” “risk of failure,” and the desire to escape. (*2)(*3)

In this way, colors seem to control our psyche and physical being without our conscious awareness. However, the influence of colors is also influenced by culture, time, and personal past experiences.